白内障
症状
初期の症状は、目の中央にある黒目に光があたると、白っぽく濁った部分が見えるようになりますが、普段の日常生活においての仕草や行動において異常を感じることはありません。
その後、症状が進行していくにつれて目の白い濁りが黒目全体を覆うように広がっていき、それに伴い視力も低下していきます。
そのような段階まで症状が進行してしまうと、ワンちゃんやネコちゃんは壁や柱にぶつかるようになったり、階段を怖がるようになるので、自ら積極的に動こうとしなくなります。
原因
白内障は、目のレンズの役割を持つ透明な水晶体が少しずつ白く濁っていくことで視力が低下していく病気です。
その水晶体は水分とたんぱく質から出来ているのですが、たんぱく質が様々な原因で変性してしまい、白く濁ってしまうことで光がうまく通過できなかったり、乱反射してしまうことで網膜に鮮明な像を写せなくなります。
原因は遺伝性のものもあれば、眼病や目の外傷、糖尿病やアトピー性皮膚炎の合併症として発症する場合など様々ですが、最も多い原因は紫外線などによる活性酸素です。
紫外線の強い国と弱い国を比べると、紫外線の強い国のほうが、白内障患者が多いという統計も出ており、紫外線を浴びることで白内障の発症リスクが高まる要因となります。
予防とケア
白内障には先天性(生まれつき)のものと後天性(生まれてから)のものがあり、後天性の白内障は、発症した年齢によって若年性(0~2才)、壮年性(3~6才)、老年性白内障(7~8才)と分類されています。
後天性の白内障の原因は様々ですが、夏場の強い紫外線を少しでも避けるように配慮してあげることや、お散歩やドッグランでも、飼い主さんがこまめに日陰で休憩をはさんであげることも大切な予防法です。また、内科的な予防策として目薬やサプリメントなども有効です。
しかし、加齢とともに基礎代謝や免疫力が衰えていくことで、白内障の発症リスクが高まりますので、普段から生活習慣病の予防のために、健全な食事量と運動をおこなうことも大切です。
先天性の白内障や既に白内障の発症が見られる場合には、早期発見、早期治療が重要ですので、少しでも白内障の疑いが心配される際には、早いうちに動物病院に相談するようにしてください。