てんかん
症状
てんかんは、全身を激しく震わせてけいれんを起こす全般発作と、体の一部分だけを震わせる部分発作に分類されます。全般発作の場合には、体全体を震わせて、足をバタバタ動かしたり、背中を弓なりに反らして硬直するなどの異常が見られます。
一方、部分発作は顔面の一部をピクピク震わせたり、特定の足だけを強張らせて硬直したりなど、体の一部分だけに異常が見られます。このような発作が起こると同時に口から泡やよだれを出したり、おしっこやうんちを垂れ流してしまうこともあります。
原因
てんかんは、脳内に異常な電気的興奮が起こることで、一時的に脳の神経細胞がショック状態を起こしてしまう病気です。
このような異常な電気的興奮が起こると、脳からの命令が正常に機能しなくなり、意識を失ったり、けいれんを起こすようになります。
これは、先天的な奇形による脳の障害によるものや、遺伝的なもの、ジステンパーなどのウイルス感染による脳炎や、脳の内部に髄液が過剰にたまる水頭症、頭部への外傷といった後天的な病気がきっかけになる場合など、原因は様々です。そして、CTやMRIなどの画像診断でも、明確に原因が特定できない場合もあります。
予防とケア
てんかんは、症状が出る前から明確に予防をおこなうことは大変難しいため、早期発見・早期治療が重要になります。
もし、てんかんの症状が出たときには、どうしても飼い主さんがパニックになりがちですが、慌てて体を擦ったり撫でたりすることで、余計に神経を興奮させ発作を長引かせてしまう場合があります。
けいれんや発作の症状が出たときには、ワンちゃんやネコちゃんが倒れたり、暴れてもケガをしないように、ワンちゃんやネコちゃんのまわりの安全を確かめ、その後は冷静に様子を見守ってあげてください。
ただし、けいれんや発作は何度も繰り返すほどに症状をさらに悪くしてしまいますので、必ず定期的に病院で診察を受けるようにしてください。